- いや、私は的確に評価をしているつもりだけど?
- それを言っちゃうと自意識過剰(自惚れ)だよね。
- いつも思うよ。世界中が全てこの城のように穏やかだったならばどれだけ良いかって。
- 寝顔は酷く穏やかだ。夜更かしでもしていたのだろうか。
- お人形は話さないものですよ?
- 相槌を打たなくなって反応がぶつ切りになる。
- 「眠い」低く呟いてから、はははとひび割れた笑いを溢した。
- すまんが、お前にも教える事はできない。
- それがあいつとの私の約束なんだ。
- 既に相手は加害者の気持ちを経験していたのだから。
- 少し出現しかけていた罪悪感が塵も残さず消滅した。
- 良い経験だったと言う事にしておこう。
- あそこまで楽観的になれるのなら、もしくは楽観を装えるのなら。
- 調子に乗ったのがいけなかった。
- 最初の一撃で満足をしておくべきだった。
- 何故あのような行動に移ったのか、今では自分でも説明する事はかなわない。
- 訳もなく、理由もなく、目的もなく、破壊衝動の波がうねるように私の体を支配したのだ。
- 自分でも理解できていない事を他人に説明し納得させるのは不可能に近い。
- いわゆる人を呪わば穴二つ、と言うやつなのだろう。
- それ故に、私はこの事件についての説明を一切拒否させてもらう事にする。
- 加害者となったのが先か、被害者となったのが先か。
- 水着一式失踪事件。
- 犯人不明のまま終了。
- 口を縫いとめられた人形。
- 長過ぎる上に女性らしさの欠片も無い叫びを耳元で発さないで欲しい。
- 青い目の代償。
- ああ、やっぱりか。
- 想像が当たった。愕然とするよりも呆然とするよりも先に、失望を知った。
- 揺れる彼女の脚が私の無力を代弁しているようで、私は目を伏せた。
- ゆらゆら、ゆらゆら。
- ぎぃ、ぎぃ。
- 脚が力なく揺れる。陰もその動きに付き従い揺れる。
- 梁が軋む。人の重さに悲鳴をあげる。
- 下を向いたまま、私はその場を後にした。
- そんな言葉聞きたいんじゃない。
- 理解できない。したくもない。
- 諭されたくて話した訳じゃないのよ。
- これはただの愚痴だ、文句だ! 希望では決してない!
- 君は消耗品だけど代用品ではないから。
- 多弁による誤魔化し。
- 馬鹿だな、本当に馬鹿だよ。
- 全てがそれで丸く収まるなら、「わたし」なんて存在、必要なかったのに。
- 穀潰になるくらいなら消えた方がマシだと思った。
- 世の中には偽善者とろくでなししかいないから。好い人とかただの都市伝説だから。
- 言わない。もう今更だから。決めたんだ。
- 決定的で致命的な向き不向きと言うのは存在するよ。
- 一方的な別れ。
- まあ、道理だな。
- 当人の望まざることを強制するのは本意ではないのでな。
- ただそれを全て押し殺して真っすぐな道を選んだのは私だから。
- その頃は幸せなんて言葉知らなかった。
- 何もしなくていいなら何もしたくないんだけどね。
- そんなきっかけだけで一時が万事うまくいってたら、
- 運命なんて信じない。認めない。
- そういう小さな罅がだんだん大きくなって修正不可能な溝になるんだよ。
- 悪いけどそんな女神様な性格してないの。
- 中途半端な理性ならいらなかった。
- 月が限りなく赤に近い橙に輝いていた。
- そんなものならとっくに捨ててしまったよ。
- 言葉は選びなさい。でも工夫する必要はないよ。
- 傍に君がいるのなら。もう眠るのは恐くない。
- 人間たる者かくありき。
- そんな定義はどこにもないよ。
- 「あの子達はいがみ合っているのが一番なんだよ」「それもどうなの」
- あの人のおかげで私は私でいられる。
- ああ、これは、罰なのですね。
- 貴方がそれを望むのなら。
- 私の事は最終防衛ラインだと思ってほしい。
- 貴方が望むなら地獄の中でも生き続けよう。
- 触れる事を許してくれた。
- 愛なんていらないよ。それじゃ対等になっちゃうじゃないか。
- 辛い時はね、笑うといいんだって。よくわからないけど、代謝が良くなるらしいよ。
- 朽ちるように死んでいこうと思った。
- 欲しいものを全て手に入れてしまったら、あとは虚しいだけでしょう。
- 人は石垣、人は城。
- 約束された成功。
- 不協和音のようなメロディに酔う。
- 時間なんてほっとけば過ぎていく。
- 息を吸って吐いていればテストなんて終わります。
- 貴方の歩む道を遮る奴は全部私がなぎ払うから。
- 残念ながら、僕の人を見る目は最低最悪だからね。
- 僕を言い訳にするの、やめてくれる?
- 敵意はあるけど害意はないよ。
- 「それ、忘れてほしいな」「笑顔で言っても台詞の恐さは変わらないから」
- 「女の子にそんなことさせるなんて外道よ! 鬼! 鬼畜! 惚れちゃうじゃない!」「えー……」
- 空気にあてられて。
- しょうがないと言って諦めるのは悲しすぎるじゃないか。
- 「まわりくどい慰めだな」「でも笑ってくれた」それでいいんだ。
- 友達ってそれでいいんじゃないかな?
- 意識を繋ぎ留めるのに必死だった。
- それって逃げでしょ?
- どうしてそういうちょっとした配慮さえできないわけ?
- せめて笑って死ねるくらいには。
- なんとなくの日々を過ごしていくことに必死だった。
- 心臓の拒絶反応。
- 幸せならいらないからさ、何もない平穏をください。
- 幸せならここにある。
- 全てを含む白。
- 不釣り合いな長さの四肢。
- その程度の闇だったということでしょう。
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